JC運動を考える

『JCの歴史』

 JC運動の理念を追求していく上で、最も効果的な方法は、多くの会員と話し合うことです。そしえ、それと同じくらい効果的なことは、JCの歴史を正しく知ることです。何故なら、歴史の始まりには、必ず初心が存在します。初心とは、本質を意味します。また、歴史の節目節目には、状況を反映した、JCの理念が存在します。これらを、ただ表面的な流れだけに目をとらわれずに、洞察していくことがより明確に理念を形成するうえで、大いに役立つはずです。

 『JC運動の本質と会員の意識』

 JC運動の目的は、明るい豊かな社会の実現である。
我々の目的とする明るい豊かな社会とは、どのような社会を意味するのか、またメンバーは、その社会のイメージとしてはっきりさせているだろうか。明るい豊かな社会を明確にすることが、JC運動を考える第一歩であると思われる。
明るい豊かな社会とは、我々にとってひとつの理想社会である。
我々の描く理想社会のイメージはどのような社会であろうか。ある程度の骨組みはJC宣言文からうかがえる。しかしながら理想社会のイメージは、基本的にはその時代の人間の価値観に基づくものであり、時代とともに変わりうるのである。
明治の人間にとっては、富国強兵こそが明るい豊かな社会であったろうし、戦後の日本では、経済的発展と西洋社会こそが、そのイメージとしてとらえられていた。
今日物質的にはそのイメージに近い社会を実現した人々は、物質的な豊かさに加え、生活の質にもその価値を見出そうとしている。

★JC運動の本質
 このように、時代を通じて不変な理想社会のイメージというものは存在しえない。ただ、時代をとして替わらないものは、幸せになりたいという人間の欲望である。この幸せになりたいという欲望と、幸せのイメージが、時代の背景や社会的要因によって変化し、その変化が社会を動かし歴史を創ってきたといえる。
この意味で明るい豊かな社会とは、その時代の人間が、そのような社会であれば、幸せになれるであろうと考える社会である。